つい先日、大学時代の友人のグループLINEに一件の訃報が届き、旧友が交通事故で…と突然の別れを告げられました。彼女が他界したのはひと月ほど前とのこと。今でも信じたくない、信じることができないのですが、同時に涙が溢れ出てきます。
彼女と私はサークル内でも違うチームに所属していたので(4チームあり基本的に別の活動をしていました)そこまで濃い付き合いというわけではなかったのですが、当時はおしゃべりをしたりカラオケに行ったり、お酒を飲んではよく笑い、サークル内でたくさん旅行し、楽しい時を過ごしたことを覚えています。
卒業してからは時々思い出したように連絡を取り、簡単な近況報告をする程度だったけど、春に「落ち着いたら会おうね」とやり取りをしたのが最後となりました。・・・つい半年前に、会おうねって言ってたのに。
そして、ひとつ、大きな後悔が生まれました。
正確な時期は覚えていないのですが、少し前に「近いうちに大学の友人とのお別れがある」というメッセージが来ていたのです。。でもその時の私は「えっ誰だろう…?やだ、そんな縁起でもないこと思っちゃダメだよね」と、この ”虫の知らせ” を一蹴しました。
にも関わらず、次に浮かんだのは「彼女に連絡しなくちゃ」というものでした。最近どうしてるかな?あれ、でもちょっと前に連絡したじゃない。元気に決まってる。でもなんだか連絡しなきゃいけない気がする・・・でも・・・
この予感も、日々の忙しさにかき消され埋もれていきました。彼女に連絡をすることがないままに。
人は誰でもこの世を去ります。いつかはこの肉体を脱ぎ、家族や友人や大切な人と離れなければいけません。寿命は生まれる前に決めてきているので、多少前後することはできても変えることはできないのです。
明日も明後日も、自分や大切な人が元気な姿でいるかどうかなんて誰にも分からないんですよね。
『孝行したいときに親はなし』とはよく言ったもので、やらなきゃいけないと潜在的に思っていることを先延ばしにしたら後悔が残ります。もしあのとき彼女に連絡していたら・・・?きっと他愛もない話をしただけで、彼女の死を変えることなどできやしないのは分かっています。でも、私は連絡すべきだった。どうして自分のメッセージを無視しちゃったんだろう。そんな気持ちが、彼女の屈託のない笑顔とともに胸に浮かんできます。
みなさんも、愛する人にはきちんと愛を伝えてください。ケンカをして仲直りをしたかったら、素直にごめんねと伝えてください。感謝を感じたら、ありがとうを伝えてください。なにか予感があったら、その声に従ってください。予感は当たろうが外れようがいいんです。大切なのは、後悔しないこと、です。
彼女は仲間より少しだけ先に旅立ちました。お嬢様で容姿端麗、語学堪能、頭が良く仕事ができて、テニスと相撲とゴルフと旅行が好きで、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなって、少し変わったものが好きで独特の感性をもっていて、国内外問わず友人がたくさんいて明るく快活、老若男女問わず誰からも好かれる―そんな女性でした。これを書いている今も、彼女から「なんか変なデマが出回ってて笑っちゃう!私は元気だよ。みんなにも訂正しておいて」そんなあっけらかんとした連絡が届くんじゃないか…そんな気持ちにさせられます。
でもそんな連絡は届かないので、また次に再会する時まで彼女とはしばしのお別れのようです。死は永遠の別れではなく、ほんのちょっと旅立つタイミングがずれただけ。残された者にとっては長く辛い時間に感じるかもしれないけど、それまでしっかりと自分の生を全うしなきゃ。
もちろん近い存在であればあるほど、別れが突然であれば余計に、なかなか受け入れられないかと思います。毎晩、目が腫れるほど涙を流してもいいんです。声が枯れるほど叫んでもいいんです。折に触れて思い出し、胸を熱くさせてもいいんです。ショックが大きすぎて感情が凍り付いてしまう人もいます。人の感情は簡単なものではないので、たくさん時間をかけて自分の心を癒す必要があります。
それから、大切なのは後悔しないこと―そう書きましたが、もし後悔が残ったとしても、自分を責めないでください。仕方のないことはたくさんあります。どうやっても後悔が残る…避けられなかった…そんなことも山ほどあります。でもどうであれ、新しい朝はやってきます。これから始まる一日を、出来る限り後悔のないように、自分の心に素直に生きようとすることに意味がある。そんな風に私は思います。
コメント